【交際費】4月より飲食費の金額基準が5,000円→1万円に増額へ!

令和6年度税制改正大綱により、

交際費等の損金不算入制度について見直しが行われ、

交際費等から除かれる飲食費の金額基準が

従来の5,000円から1万円に引き上げられます。

なお、この改正は令和6年4月1日以降に

支出する飲食費が対象であり、企業によっては、

年度の途中で今回の金額基準の変更に対応する

必要があるためご注意ください。

□■━━━飲食費の金額基準とは?━━━■□

法人税の計算では、損金算入できる交際費等の

額には上限が設けられています。

しかし、得意先や仕入先などを接待する際の飲食費については、

1人あたりの金額が5,000円以下の場合には、

交際費等から除外することが可能です。

現在の物価上昇や飲食業界の支援などの背景から、

4月1日からは上記の飲食費の金額基準が1万円に引き上げられます。

□■━━━大企業にとってメリットの大きな改正?━━━■□

交際費等の損金不算入制度については、

企業ごとの資本金額によって、以下のような差があります。

◎資本金100億円超の大企業

<損金算入>

飲食費1万円以下/人(現行:5,000円以下/人)

<損金不算入>

飲食費1万円超/人(現行:5,000円超/人)

飲食費以外

◎資本金1億円超100億円以下の大企業

<損金算入>

飲食費1万円以下/人(現行:5,000円以下/人)

<50%損金算入・残り50%は損金不算入>

飲食費1万円超/人(現行:5,000円超/人)

<損金不算入>

飲食費以外

◎資本金1億円以下の中小企業

<損金算入>

飲食費1万円以下/人(現行:5,000円以下/人)

<800万円まで損金算入>※

飲食費1万円超/人(現行:5,000円超/人)

飲食費以外

※資本金1億円以下の中小企業は

「接待飲食費の50%損金算入特例」の選択も可。

上記のように、資本金が1億円以下の中小企業では、

年間の交際費等が800万円までは元々損金算入が可能であるため、

今回の飲食費の金額基準引き上げは

さほど影響がない企業も多いと考えられます。

一方で資本金が1億円または100億円を超える大企業については、

交際費等の損金算入は極めて限定的であることから、

飲食費の金額基準の引き上げによるメリットを

享受しやすくなるでしょう。

□■━━━まとめ━━━■□

税制改正により、本年4月1日以降に支出する

飲食費について、1人あたり1万円以下の場合には

交際費等から除外することが可能です。

交際費等の損金算入に制限を受けやすい大企業にとっては、

接待目的の飲食費を損金計上しやすくなるなど、

一定の効果が期待されます。

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